Omegleは2023年に終わり、ドメインが売られた — その続きはどこにあるか

Omegleを公開したのは、2009年3月25日、バーモント州ブラットルボロに住んでいた18歳のリーフ・K・ブルックスです。最初はテキストだけで、ビデオチャットが足されたのは翌2010年3月。「Talk to strangers!」のボタンを押せば、登録もインストールもなしに知らない誰かが出てくる — このジャンルは、そこから始まりました。14年後の2023年11月8日、本人がサービスを閉じています。このページの上で動いているのはVeilrのビデオチャットで、ログインして「検索を開始」を押せば、すぐ相手探しが始まります。

Omegleに何が起きたのか

閉鎖の理由を、創業者は自分の言葉で書きました。Omegleを支え続けるのは財政的にも精神的にももう無理で、「30代前半で心臓発作になりたくない」と。

そのあとは事務手続きです。1か月後の2023年12月8日、運営していたOmegle.com LLCがオレゴン州の破産裁判所に連邦破産法第7章(清算)の申立てを出しました。事件番号6:23-bk-62287、申告された資産は100万〜1000万ドルの区分です。第7章は再建ではなく清算なので、この時点で会社としてのOmegleは戻ってこないことが確定しています。

残ったのは名前とドメインでした。2025年11月5日、マイアミで開かれたRightOfTheDot / NamesConの破産オークションで、omegle.comが310万ドルで落札されます。2025年に公表された中でも大きい部類のドメイン取引で、同じロットにはomegle.tvと、商標「OMEGLE」「TALK TO STRANGERS」も入っていました。利用者の個人データは、ロットから明示的に除外されています。

いまomegle.comを開くと出てくるもの

だから「Omegleは閉鎖したので、もう何もない」という説明は、今日の時点では正確ではありません。2026年8月26日に確かめたところ、WHOISの更新は2026年5月22日、登録者は米国のRC Tech America Inc.、レジストラはGandi、DNSはAWS。サイトはHTTP 200を返し、Vueで作られた本番のアプリが載っています。「準備中」の看板ではありません。

ただし、中身は別の製品です。同じ日にそのJSを読んで確認できたのは、こういう作りでした。まず入口 — /video と /live-room は requiresAuth で守られていて、未ログインなら /login に飛ばされます。ログイン手段はGoogle、Apple、Facebook。次にお金 — コインストア(「Recharge」「Your balance」「Transactions」)と、vip / svip の階層を持つ月額「Omegle PLUS」があり、こちらは試用期間つきの自動更新で、期間が終われば月額で自動的に更新されると本文に書かれています。初回の割引もあります。

いちばん性格が出ているのは、性別フィルターの扱いです。無料の試行回数には1日の上限があり、使い切ると「Your gender filter attempts for today are used up」と出て、その先は「Upgrade to PLUS+ for Unlimited Filters!」— 上限を外すこと自体が商品になっています。凍結の解除も同じで、「Unban Account」「Unban Fee」「Recharge & Unban」という文字列が並びます。金額は書けません。価格はログイン済みの利用者にだけAPIが返す作りで、公開されていないからです。

つまり、無料であることとアカウントが要らないこと — 歴史的なOmegleを定義していた2つの特徴は、どちらも残っていません。共通しているのは名前だけです。

Omegleが本当に強かったところ

比較の前に、正直に認めておきます。あのワンクリックは、いまだに誰も超えていません。登録もメールもアプリのインストールも確認もなく、サイトを開いてボタンを押せば会話が始まる。アカウントを要求するサービスは、この一点では客観的に負けます — Veilrも負けます。

料金の話も同じです。14年間、Omegleは本当に無料でした。有料プランもコインもサブスクも有料フィルターも、一度も存在していません。収益は広告だけで、財務の数字を公開したこともありません(ネットで見かける「Omegleの収益」はSEOサイトの推計であって、決算ではありません)。

相手の数も別格でした。閉鎖前で月間およそ5000万訪問、2023年初めには7000万前後(SimilarWeb / Statistaの推計)。若いサービスがいちばん苦しむ「キューが空」という問題が、Omegleには存在しませんでした。

機能の発明も残っています。興味タグによる相手探し、3人目が質問を出して二人の議論を眺める「Spy / Question」モード、.eduメールの学生向けチャット、のちに導入された監視あり/なしの分割。データの収集が少なかったことも、いまの基準で見れば珍しい部類です — プロフィールもアカウントもSNS連携もありませんでした。そして何より、このジャンルそのものがOmegleの発明です。Veilrも、2009年に決まった形の上に立っています。

それでも続かなかった理由

2021年2月、BBCの記者が10時間サイトに入り、未成年者に何十人も当たっています。7〜8歳の子どもを含み、2時間のあいだに自慰行為をしている男性12人、裸の男性8人、ポルノの宣伝7件につながれました。報道のあと、TikTokはOmegleへのリンクの掲載を禁止しています。

法廷の記録はもっと重いものでした。A.M. v. Omegle.com LLC — 原告は2014年当時11歳で、サービスは彼女を40歳近い男性と引き合わせ、そこから3年の搾取が続きます。請求額は2200万ドル。2022年7月13日、マイケル・モスマン判事は通信品位法230条による却下を認めませんでした。理由が重要です:この訴えは利用者が投稿した内容ではなく、製品の設計を問うている — 子どもと大人を引き合わせない設計にできたはずだ、と(判断はLemmon v. Snapを引いています)。230条の防御が破られた、数少ない例のひとつです。訴訟は閉鎖の約1週間前に和解し、条件は公表されていません。BBCによれば、Omegleは2年間で50件を超える小児性愛者の事件に登場しています。

規約が18歳以上になったのは2022年からですが、年齢の確認は最後まで存在しませんでした。あったのはチェックボックスだけです。登録がないということは、追い出した相手を締め出せないということでもあり、実際、IPでの制限は変えれば戻れるものでした。利用者の不満も同じ根から出ています — 露出、ボットと有料ウェブカムサイトへの誘導、理由の分からない制限と異議申し立て先の不在、男性に大きく偏った相手、返事の来ないサポート。

三つを並べて

Omegle(2009–2023)いまのomegle.comVeilr
始めるまで登録なし、ワンクリックGoogle・Apple・Facebookでログイン必須持っているアカウントで一度ログイン
お金14年間、完全に無料コインストアと自動更新のPLUS中核は無料。売っているのは2つ
性別で選ぶなし(あったのは興味タグ)無料は1日の回数制限つき、解除は有料無料の希望として優先。厳格にするのはBoost
言葉の壁翻訳の機能はなし公表されていない声は字幕に、メッセージは翻訳されて届く
制限の解除IPを変えれば戻れた有料(「Unban Fee」)自動の制限は最長30日で切れる。永久は人が決める
アプリ公式アプリは一度も出ていない公表されていないブラウザとAndroidアプリ。iOS専用アプリはなし

上の2行は向こうの勝ちで、しかも僅差ではありません。ワンクリックの速さに並ぶ方法はありませんし、14年間まったく課金しなかった記録に並べるサービスも、いまの市場にほとんどありません。ストアにあった「Omegle」のアプリは、どれも第三者が作ったクローンです — 公式のiOS / Androidアプリは、14年間、一度も出ていません。

Veilrが代わりに渡すもの

壊れたのは、利用者ではなく設計でした。 2022年の判断が指したのはそこです。誰が入ってきたのか分からない作りでは、追い出した相手も、大人と子どもの区別もつけられません。Veilrは検索を始める前に、手持ちのSNSアカウントで一度ログインしてもらいます。こちらで新しいパスワードを作らせることはなく、どの方法で入れるかはログイン画面に並びます。ゲストのままでは検索は始まりません — これはインターフェースの遠慮ではなく、サーバー側で拒否される決まりです。Veilrは18歳以上のサービスで、18歳未満と申告したアカウントには相手が現れません。

相手はランダムではなく、条件で決まります。 プロフィールで自分の性別を設定すると、誰と話すかを選べます。無料で、あなたの希望は、それに合う人がオンラインにいればまず優先されます。誰もいなければ、待たせる代わりに別の相手とつなぎます。相手の希望はいつでも尊重されます。Boostならあなたの選択が厳格なフィルターになり、順番も先頭です。ノンバイナリーで登録した人は、「すべて」を選んだ人と出会います。年齢と国も同じ扱いで、条件に合う人が見つからないときは、検索を止めずに幅を広げます。回数の上限を買い足す、という考え方はここにはありません。有料なのは2つだけです — 列の先頭に立てるBoostと、字幕を延ばす追加分数。

言葉が違っても会話は終わりません。 お互いの申告した言語が違う通話では、ボタンを探さなくてもVeilrのほうから字幕を自動で立ち上げにいきます。登録したばかりのアカウントは字幕5分が無料で、それ以上はBoost、追加分数の購入、特典で足せます。テキストでは、日本語のまま送ったメッセージが相手の言語で届くことがあり、原文はワンタップで開けます。無料アカウントには翻訳の回数があり、増やすこともできます。Boostなら上限そのものが外れます。翻訳が使えなかったときは、書いたそのままの文が届きます。インターフェースは15言語に対応していて、日本語もそのひとつです。

通報の行き先があります。 どの会話にも通報ボタンがあります。会話の途中で通報すると、その場で次の相手に移り、24時間はお互いのマッチングから外れます。ブロックはそれとは別の、自分で選ぶ操作です。映像についての判断が一人の言葉だけで決まることはありません — 通報された映像の1コマによる制限には、別々の通報者の裏づけが要ります。書かれた内容についての通報は、自動の分析が裏づけたときには単独でも制限につながります。自動でつく制限はどれも最長30日で切れ、永久的な制限は人が決めます。解除は商品ではありません。

裸が映るかどうかは、こちらで選べます。 Veilrには、届いた映像に対する任意のぼかしフィルターがあります。オンにすると、処理はあなたのブラウザの中だけで動き、ぼかしが見えるのもあなただけです — 相手にもこちらのサーバーにも、それについて何も送られません。

引き合わされた相手に見えるもの。 あなたの性別、年齢の範囲、そして国が分かっている場合はその国旗です。認証済み・Boostのバッジはどの形式でも見え、テキストと音声ではさらに、ぼかしたプロフィール写真と、設定していれば母語も見えます(母語の表示はオフにできます)。正確な年齢が見えるのは、年齢フィルターを使って探している人だけです。マッチングで引き合わされた見知らぬ相手に、本名・メールアドレス・住んでいる街・IPアドレスが見えることはありません。マッチングは形式ごとに1本のキューで世界中とつながり、条件はその上に載ります。国別の部屋はありません。ただし提供していない国はあり、いまは英国が対象外です。

どちらを選ぶか

かつてのOmegleに戻りたい、というのが本当の望みなら、それは叶いません。会社は清算され、ドメインは売られました。いまのomegle.comは名前を引き継いだ別の会社の製品で、そこでは入口にログインがあり、性別フィルターの上限外しが商品になっています。ログインするのはどのみち同じだとしたら、その一度で何が手に入るかを比べたほうが早い、というのがこのページの言い分です。

Veilrで話し始めるまで

  1. 1. ログイン。手持ちのアカウントで入り、最初の一度だけ性別・生年月日・母語を選んでルールを確認します。
  2. 2. カメラを許可。使えない端末なら、そのままテキストの形式へワンタップで移れます。
  3. 3. 希望を決めて「検索を開始」。会話を終えたいときの「次へ」は、条件を保ったまま次の人につなぎます。

インストールは要りません。ホーム画面に追加すれば単独のウィンドウになり、Android版は専用アプリとして配布されています。

Omegleについてよくある質問

Omegleはまだ使えますか?

オリジナルのOmegleは2023年11月8日に終わり、運営会社は破産で清算されました。アドレス自体は開きますが、そこにあるのは、売られたドメインの上で動くRC Tech America Inc.の別の製品です。

Omegleはなぜ閉鎖したのですか?

創業者は、財政的にも精神的にも支えきれなくなったと書いています。背景にあるのは、11歳だった原告の訴訟と、通信品位法230条による却下が認められなかった判断です。問われたのは投稿内容ではなく製品の設計でした。和解は閉鎖の約1週間前です。

いまのomegle.comは無料ですか?

かつてのOmegleは、最後まで完全に無料でした。いまのサイトは違います:コインストア、自動更新の月額PLUS、性別フィルターの1日の回数制限とその有料の解除、そして有料の凍結解除があります。金額は書けません — 価格はログイン済みの利用者にだけAPIが返す作りで、公開されていないからです。

Omegleのアプリはありましたか?

公式のアプリは、iOSにもAndroidにも一度も出ていません。ストアに「Omegle」の名前で並んでいたものは、すべて第三者のクローンです。Veilrはブラウザで動き、Androidには専用アプリがあります。iPhone向けの専用アプリはありません。

登録の要らないチャットのほうが速いのでは?

速いです。そこは認めます。Veilrが一度のログインと引き換えに渡すのは、性別で相手を選べること(無料で、双方向に)、言語が違う通話で自動的に立ち上がる字幕、そして通報と制限の行き先です。速さではなく、この3つと引き換えかどうか、という選択になります。

気の合った相手と、あとでまた話せますか?

残せます。ただし条件はひとつで、その場にいる二人が両方とも「連絡先に追加」を押すこと。片側だけでは何も起きず、会話も残りません。断ったことが向こうに伝わる作りにもなっていません。二人そろって押した瞬間に、いま交わしていたやり取りが個人のチャットへ移り、そこから先はお互いの表示名と連絡先が見える相手になります。名前で人を探す機能はなく、会話の外から申請を送る道もありません。

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